漫画『鬼殺の流』はどこで読める?
吾峠呼世晴氏が『鬼滅の刃』の連載前に描いた幻のネーム作品『鬼殺の流』は、単体では出版されていません。この貴重な本作を読むためには、公式ファンブック『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録』を入手する必要があります。
電子書籍で購入する場合、コミックシーモアがおすすめのサービスです。コミックシーモアでは新規無料会員登録をすることで、好きな作品1冊に利用できる割引クーポンがもらえます。
このクーポンを利用すれば、公式ファンブックをお得な価格で購入することができ、すぐにスマートフォンやタブレットで読むことができます。コミックシーモアは国内最大級の品揃えを誇る20年以上運営されている電子書籍サイトで、購入後は公式アプリでも読める点がメリットです。
\新規限定70%OFFクーポン配布中/
配信状況
あらすじ
『鬼殺の流』の時代設定は、『鬼滅の刃』の大正時代より少し前の明治時代です。夜に人を喰らう鬼が存在し、それを討伐する非公認の組織である鬼殺隊が存在するという、基本的な世界観は『鬼滅の刃』と共通しています。
物語の主人公は、口減らしのために山寺に捨てられた孤児の流(ながれ)です。彼は鬼殺隊の育手である伴田左近次に拾われ、強くなるための厳しい修行に耐え、鬼殺隊士となります。
鬼殺隊の最終選別では鬼が好む稀血を持つ負傷した隊士候補を庇って戦い、右腕と視力、両足に重傷を負いますが、仲間を背負って帰還を果たします。流は育ての親である伴田への恩義と、鬼殺隊の柱になるという強い決意を胸に、鬼殺隊士としての道を歩み始めるシビアな人間ドラマが描かれています。
登場人物
流(ながれ)
『鬼殺の流』の主人公である流(ながれ)は、『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎とは対照的な、寡黙で口数が少ない少年です。彼は口減らしのために山寺に捨てられた孤児という壮絶な過去を持っています。
鬼殺隊の最終選別で、右腕と両足を失い義足となり、さらに視力も失う重傷を負っていますが、特殊な呼吸法と驚異的な気配察知能力を駆使して戦います。身体的なハンデを負いながらも、誰よりも速く動ける鬼殺隊員として鬼と対峙する姿は、本作ならではのダークな魅力に満ちています。
彼のクールな外見や寡黙さ、そして育手の名前が「さこんじ」である共通点から、流のキャラクター設定の多くが、後の水柱・冨岡義勇に引き継がれたと考察されています。流は、育ての親への恩義を胸に、「この國にいる誰よりも強くなる、鬼殺隊の柱になる」という強い決意を抱いています。
伴田左近次(ばんださこんじ)
伴田左近次(ばんださこんじ)は、流(ながれ)を鬼殺隊士として育て上げた、流の師匠であり育ての親です。彼は、口減らしのために捨てられた孤児の流を引き取り、鬼殺隊として必要な過酷な修行を課しました。
流は伴田に深く心酔しており、自分の名を「伴田流」と名乗りたいと願うほどの強い師弟の絆が描かれています。伴田は、弟子を鬼に喰われる悲劇を経験しながらも流の強さを深く信じており、最終選別で重傷を負った彼を「この子は誰よりも強い」と庇い続けます。
この伴田左近次は、後に『鬼滅の刃』で竈門炭治郎を育てる元水柱・鱗滝左近次の原型となったキャラクターであると考えられています。流と伴田の師弟ドラマは、本作の感動的な要素の一つです。
見どころ
『鬼滅の刃』の原点
『鬼殺の流』の最大の見どころは、社会現象を巻き起こした『鬼滅の刃』の原点となる設定を、ネームという形で直接知ることができる点です。
鬼殺隊という組織の存在や鬼の特性、日輪刀、育手、藤の花の家紋の家など、『鬼滅の刃』の根幹をなす多くの設定が、この初期構想の時点で既に高い完成度で描かれています。
特に呼吸法や稀血といった物語の重要設定もこのネームに登場しており、後の作品にどのように発展したのかを読み解く楽しみがあります。例えば、第3話に登場する鬼は、『鬼滅の刃』本編の「沼鬼編」の原型にあたります。
吾峠呼世晴氏の初期作品『過狩り狩り』を原案とし、連載化を目指す過程で練り上げられた本作は、『鬼滅の刃』の世界観がどのように構築されていったかという創作の軌跡を垣間見せてくれるのです。
主人公「流」と炭治郎
『鬼殺の流』の主人公である流と『鬼滅の刃』の主人公である炭治郎を比較できる点は、本作の見どころです。流は盲目に隻腕、両足が義足という身体的ハンデを負い、寡黙でシリアスな雰囲気を持つ、挑戦的な主人公像です。
連載会議では、流の「世界観のシビアさと主人公の寡黙さ」が少年誌の連載としては難しいと判断され、落選しました。その後、担当編集者の提案により流とは対照的に明るく、読者が感情移入しやすい炭売りの少年・竈門炭治郎が主人公に抜擢されました。
流のキャラクターはクールな外見や寡黙さ、師匠が鱗滝左近次の原型である点などから、後の水柱・冨岡義勇に引き継がれたと広く考察されています。この対比を知ることで、『鬼滅の刃』が大ヒットに至るまでに、どのような試行錯誤があったのかを深く理解することができます。
創作過程の追体験
『鬼殺の流』は完成された漫画原稿ではなく、作者が連載を目指して描いた「ネーム」(設計図段階のラフな下書き)が収録されているため、創作の過程を追体験できるのが大きな魅力です。読者は、作者の生々しい描線やセリフの配置、コマ割りといったアイデアの源泉を直接見ることができます。
ネームには、完成原稿にはない吾峠呼世晴氏の初期衝動や、作品に込められた熱量がダイレクトに伝わってきます。当時の担当編集者とのやり取りで、「主人公が暗すぎる」という指摘を受け、炭治郎というキャラクターが生まれていった経緯など、制作秘話を知ることもできます。
ネームを読むという体験は、ファンにとって愛する作品のルーツを探る旅のようなものであり、『鬼滅の刃』の世界がどのようにして生み出されたのかを深く知る貴重な機会となります。
作者
『鬼殺の流』の作者は、吾峠 呼世晴(ごとうげ こよはる)氏です。吾峠氏は福岡県出身の日本の漫画家であり、『鬼滅の刃』の作者として知られています。
吾峠氏は、高校時代に初めて漫画制作を試みたものの、描き方が分からなかったというエピソードを持っています。その後、2013年までに初めての読み切り作品『過狩り狩り』を描き、第70回JUMPトレジャー新人漫画賞で佳作を受賞しました。
『鬼殺の流』はこの『過狩り狩り』を原案とし、連載化を目指して2015年に描かれたネーム作品です。しかし、世界観のシビアさと主人公の寡黙さが少年誌の連載としては難しいと判断され、連載会議では落選しました。
落選後、吾峠氏は脇役として構想していた炭売りの少年を主人公に据え直したところ、ネームの完成度が高く評価され、現在の『鬼滅の刃』の連載開始に至りました。吾峠氏の創作に対する姿勢は、編集者の意見に対し、信念を譲らないこともあれば柔軟に取り入れることもあったようです。
評判
良い評判
『鬼殺の流』が収録されている『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録』は、ファンにとって必携の資料集として非常に高い評価を受けています。ファンブック自体が「設定が細かい」「読み応えがある」「濃い内容」であるという口コミが多く見られます。
特に本作が『鬼滅の刃』の原点となる作品であることから、「幻の作品が読めて嬉しい」「ネームだけど十分面白い」という感想が寄せられています。吾峠呼世晴氏が当時純粋に描きたかった世界観や、創作の裏側が覗ける点にファンは大きな価値を見出しています。
主人公の流(ながれ)についても、身体的なハンデを負いながらも強く生きる姿や、師である伴田左近次との熱い師弟の絆に魅力を感じる読者が多いです。また、流のキャラクターが後に冨岡義勇に引き継がれているという考察も、作品の理解を深める要素として好評です。
悪い評判
『鬼殺の流』は連載会議で落選した経緯があるため、その際の評価が悪い評判につながっています。連載会議での落選理由は、世界観のシビアさと主人公の寡黙さが少年誌の読者層には難しすぎると判断されたためです。
主人公の流は、盲目で隻腕、両足が義足という設定に加え、口数が少なく感情をあまり表に出さない寡黙な性格。このシリアスでダークな雰囲気が、連載として大衆的な人気を得る上で課題とされました。
また、本作は単独のコミックスではなく、あくまで公式ファンブックに収録されたネームであるため、完成された原稿として読めない点に、物足りなさを感じる読者がいるのは当然です。とはいえ、このネームこそが『鬼滅の刃』が生まれる過程を知る貴重な資料であると再評価されています。
\新規限定70%OFFクーポン配布中/

