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作品紹介(ネタバレあり)
あらすじ
人里離れた山奥の屋敷。主人公の李穏花は、妓生として働く姉を救うための資金を得ようと高貴な主人の語り部として雇われます。主人の徐智鶴は盲目であることから、穏花は西洋の書物を読み上げるよう命じられました。
智鶴は冷酷で残忍な一面を持ち自分の意に沿わない者を容赦なく切り捨てますが、時折見せる優しさに穏花は戸惑いながらも心を奪われていき、やがて二人は荒々しくも甘美な愛の世界へと足を踏み入れます。
そんな中で穏花は智鶴が本当に視力を失っているのか疑問を抱き始めるのでした。
作者
RIDI
JinSoye
登場人物
李穏花
李穏花は本作のヒロインであり、聡明で美しい女性です。幼い頃に両親を亡くし、病弱な姉を支えるために男装をして狩りや雑用で稼いでいました。姉を妓籍から抜くために多額の費用を必要としており、高額な報酬と引き換えに智鶴の語り部となります。
西洋語を理解し、洋書を読み上げることができる才能の持ち主で、智鶴の冷酷な振る舞いに恐怖を感じながらも物怖じせずに意見を述べる芯の強さがあります。当初は仕事として接していましたが、彼の孤独や素顔に触れるうちに愛情を抱くように。
自らの運命を切り開こうとする健気な姿が周囲の男性たちの心を動かし、智鶴からの激しい愛に翻弄されつつ彼を支えようと決意。天然な一面があり、自分に向けられる好意に気づかないこともありますが、純粋無垢な魅力に溢れています。
徐智鶴
徐智鶴は河礼の山中に住む高貴で美しい男性です。かつては国の正当な後継者である世子でしたが、毒を盛られたことで視力を失いその座を退きました。現在は下弦大君と呼ばれ、隠遁生活を送りながら復権の機会を窺っています。
盲目を演じることで周囲の油断を誘い、自分を陥れた裏切り者を探し出そうとしています。性格は非情かつ冷淡で、目的のためには人の命を奪うことも厭いません。語り部として現れた穏花に対しては、次第に強い執着と独占欲を抱くようになります。
穏花を自分だけのものにしたい欲望はやがて溺愛へと変わっていき、時折見せる子供のような甘えや激情に駆られた行動がとくに魅力的です。
李英花
李英花は穏花の姉であり、芙蓉館で絶大な人気を誇る妓女です。没落した家庭を支えるために自ら身を沈め、妹を大切に思いながら過酷な日々を耐え忍んでいます。穏花と似た美しい容姿を持ちながらも、その身分の低さから多くの不幸に見舞われる存在です。
幼馴染である尹詩勲に密かな恋心を抱いており、彼との複雑な関係に苦悩。詩勲からは穏花の身代わりのように扱われることもありますが、それでも彼を拒みきれません。智鶴の介入によって妓籍から外れることになりますが、その後も権力者たちの思惑に利用されます。
尹詩勲
尹詩勲は穏花と英花の幼馴染で、有力な官僚の息子です。母親が妓生であることから庶子の立場にありますが、非常に優秀で科挙の合格を目指しています。幼い頃から穏花に恋心を抱き続けており、彼女に西洋語を教えた人物です。
穏花が智鶴の屋敷へ行ったことで独占欲と嫉妬心が暴走し始め、彼女への思いを断ち切れないまま彼女に似た姉の英花と肉体関係を持つように。自らの軽薄な言動によって愛する女性たちを追い詰めてしまう存在です。
見どころ
主人の正体と視力の謎
本作の謎は主人である智鶴が本当に盲目なのかという点にあります。彼は過去に毒を盛られて視力を失ったとされていますが、その振る舞いは極めて不自然です。穏花の動きを正確に把握したり、暗闇で見えるはずのないものを指摘したりするなど。
もちろん智鶴は本当に盲目ではなく、盲目を演じている理由は王宮内の敵を欺き復讐を果たすためです。視力を失ったふりをすることで周囲を油断させ、密かに力を蓄えながら真犯人を探しているようで、穏花はこの秘密に気づき始め、彼の真実の姿を知ろうと葛藤します。
甘美な恋模様
穏花と智鶴の関係は支配と依存が入り混じった激しくも甘い不思議なつながりです。初めは語り部としての契約関係に過ぎませんでしたが、二人の距離は急速に縮まっていき、智鶴は穏花を自身の慰みものとして扱いながらも実際には彼女を溺愛しています。
一方の穏花は彼の残忍さに恐怖しながら、ふとした瞬間に見せる優しさや孤独に惹かれていき、性愛の描写は非常に官能的でフルカラーの作画がその情熱を際立たせています。当然のことですが、身分の差や過去の因縁が二人の間に立ちはだかる展開は避けられません。
姉妹の運命と絆
穏花と英花の姉妹が過酷な環境の中で支え合う姿も見どころです。没落した家庭で育った二人はお互いを守るために自身の人生を犠牲にし、英花は妹のために妓生となり穏花は姉を救い出すために危険な主人の元へ飛び込みます。
二人の絆は非常に強く、物語を通じて常に相手の身を案じ続けているのです。しかし智鶴や詩勲といった男性たちが現れたことで姉妹の運命は狂い始めるため、時にすれ違い時にお互いを思って涙を流す様子も。
復讐と権力争い
本作は単なる恋愛漫画にとどまらず壮絶な権力争いを描いた本格的な時代劇です。智鶴が世子の座を追われた背景には、王宮内の複雑な派閥争いと家族の裏切りがあり、彼は自分を陥れた者たちを一人ずつ特定し、排除していく復讐の道を選択しています。
院君や大監といった権力者たちの思惑が交錯しており、穏花や英花もまた、この政治的な争いの道具として利用されることに。誰が味方で誰が敵なのか予測不可能な展開が続き、智鶴が再び王位を目指すのか、それとも愛を選んで隠遁を続けるのかに注目です。























