ズルすぎる君に再び溺れる どこで読める?シーモアやAmazon Kindleは?

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作品紹介(ネタバレあり)

あらすじ

苦い初恋から10年が経過した折井歩実は社会人として安定した日々を過ごしていました。結婚を意識する恋人の横田が職場におり平穏な将来を疑っておらず、仕事のストレスを飲み込みながら淡々と毎日が過ぎていくはずだったのです。

しかし新副社長として九条航大が目の前に現れたことで状況は一変。彼は歩実が高校時代に愛した忘れられない初恋の相手であり、かつての面影を残しつつもどこか冷徹な雰囲気を持つ彼に激しく動揺します。

どうやら航大は数年前の事故によって過去の記憶をすべて失ってしまったようで、歩実の存在さえ忘れていますが、なぜか彼女を見るたびに胸の痛みを感じる様子。こうして記憶喪失という壁を抱える中での歩実と航大の運命が再び交錯し始めるのでした。

作者

都築みやこ

SORAJIMA

鴻乃きこ

サイドランチ

登場人物

折井歩実

折井歩実は本作の主人公で、広告代理店で働く真面目な会社員です。周囲の期待に応えようとする責任感の強い性格で、理不尽な要求も断れずに引き受けてしまいます。高校時代の初恋相手である航大が副社長として現れ、平穏だった日常が揺れ動くことに。

現在の恋人である横田との結婚を意識していましたが、彼の裏切りが判明して決別を決意。高校時代の恋人であった航大が自分を忘れている事実に複雑な胸中を抱えながら仕事に励み、困難な状況でも自らの力で進もうとする芯の強さを持った女性です。

九条航大

九条航大は歩実の勤務先に新副社長として就任した若きエリートビジネスマンです。高校時代は銀髪で危うい雰囲気を持つ少年でしたが、現在は黒髪の男性へと変化するも数年前に遭遇した事故が原因で、自身の過去に関する記憶を完全に失っています。

かつての恋人である歩実と再会した際も最初は彼女の正体に気づきませんでした。それでも彼女の姿を目にするたびに理由のわからない切なさと胸の痛みを感じ、無意識のうちに歩実を気にかけ窮地にある彼女を強引に救い出します。

横田

横田は歩実が勤務する部署の部長で、彼女が結婚を考えていた交際相手です。表向きは穏やかで部下からも慕われる爽やかな人物を装っていますが、社内の複数の女性と同時に関係を持つ不実な人間性が本性です。

歩実との交際を隠れ蓑にしながら彼女の親友や同僚とも密かに関係を続けており、別れを切り出された後も執拗に追い回すなど、身勝手な執着心を見せます。自分の立場を利用して歩実を追い詰めようとする極めて自己中心的な性格の持ち主です。

青海

青海は歩実の同僚で、彼女に対して強いライバル心を抱く女性社員です。自分の仕事を歩実に押し付けるといった日常的に嫌がらせを繰り返すだけでなく、横田部長と密かに関係を持っており、歩実から彼を奪おうと画策します。

部長の前では甘えるような態度を見せ、歩実を悪者に仕立て上げる狡猾さも。社内プレゼンなどの仕事面でも歩実を蹴落とすために手段を選ばず、周囲を味方につけてターゲットを孤立させる典型的な悪役です。

萌乃

萌乃は歩実が最も信頼を寄せていた高校時代からの大親友です。何でも相談できる良き理解者と思われていましたが、実は歩実を裏切っていました。あろうことか、歩実の恋人である横田と密かに関係を持っていたのです。

親友のふりをして歩実の悩みを聞き出しながら陰で嘲笑っており、裏切りが発覚した後も悪びれる様子はなく、彼女を精神的に追い詰めます。

見どころ

失われた記憶と本能的な惹かれ合い

10年の歳月を経て再会した歩実と航大の間にある記憶喪失という設定が本作最大の注目ポイントです。航大は歩実との甘い過去をすべて忘れていますが、体は彼女を拒絶できずに反応。視線が合うだけで胸が締め付けられる感覚に陥っています。

歩実は自分を忘れてしまった航大に対して真実を告げるべきか葛藤し続け、冷徹な副社長としての顔と時折見せる優しさのギャップに溺れていくのです。

クズ人間たちとの関係

歩実を取り巻く環境の過酷さと、そこから生まれる愛憎劇も本作の魅力です。信頼していた恋人と親友が同時に裏切るという衝撃的な展開が待ち受けており、卑怯な手段で歩実を貶めようとする悪役たちが行動します。

特に職場の人間関係を利用した執拗な嫌がらせや巧妙な嘘による孤立化など。こうした逆境の中で歩実がどのように自分自身を守り抜くのかが重要な鍵となり、同時に悪役たちへの制裁を期待させてくれます。

運命を切り拓く歩実

周囲の悪意に翻弄されるだけでなく、歩実が自らの意志で立ち上がる姿も見どころです。不誠実な横田ときっぱり別れる決断を下して仕事でも正当な評価を得ようと奮闘し、誰かの言いなりになるのではなく自分の足で人生を歩もうとする姿勢に共感を覚えることでしょう。

また、歩実は航大との関係においても単に守られるだけの存在に留まりません。彼の副社長という立場に臆せず仕事への熱意や自身の考えを堂々と伝えるといった過去の恋に囚われるのではなく、今の自分として航大と向き合う成長物語でもあります。