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サイコ×パスト 猟奇殺人潜入捜査 どこで読める?
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作品紹介(ネタバレあり)
あらすじ
物語は、熱血漢の刑事である五代一哲が、犯人に対する過剰な暴力が問題視され、捜査一課から「捜査第五課 殺人犯超常捜査係」という謎の部署へ異動を命じられるところから始まります。
そこで五代を出迎えたのは、自らを「超能力捜査官」と称する警視正の飛高紫苑でした。飛高は、特定の人物の意識を過去に送る(事件の被害者の意識と入れ替える)という特殊な能力を持っていたのです。
五代はシリアルキラーへの強い憎悪を原動力としてこの飛高の能力を使い、過去に起きた猟奇殺人事件の被害者の身になって潜入捜査を行う命がけの任務に就きます。彼自身、幼い頃に家族を「杉並区一家4人肉塊事件」という凄惨な事件で失っており、その個人的な復讐心も捜査を突き動かしています。
潜入先の多くは女子高生や9歳の少年、6歳の少女など、身体的に非力で不利な立場の人物であるため、五代は未来の知識と刑事としての推理力、精神力だけを頼りに凶悪犯と対峙します。物語が進むにつれて、五代の家族の事件の真相や背後にいる謎の組織の陰謀といった大きな謎へと展開していきます。
作者
本田真吾
登場人物
五代一哲
本作の主人公である五代一哲は26歳の警視庁巡査部長で正義感にあふれる熱血漢ですが、犯人への過剰暴力が問題となり捜査五課へ左遷されます。飛高紫苑の超能力により、過去の猟奇殺人事件の被害者の意識に潜入し、事件を未然に防ぐ過酷な任務を遂行することに。
彼の行動の背景には、幼い頃に家族を「杉並区一家4人肉塊事件」で妹以外の4人を皆殺しにされた壮絶な過去があり、シリアルキラーに対して並々ならぬ強い憎悪を抱いています。
潜入先では、女子高生や少年など非力な身体で戦うことが多いため、自慢の腕力は使えず機転と精神力で危機を乗り越えていきます。
飛高紫苑
飛高紫苑は五代の上司にあたる捜査五課長で、33歳の警視正です。彼は警視総監の息子という立場でありながら自らを「超能力捜査官」と称し、特定の人物の意識を過去の被害者と入れ替える超常的な能力を持っています。
常に飄々とした態度を崩さず、五代を過去の事件へ送り込む真の目的は謎に包まれています。彼はシリアルキラーに対して異常な執着心を持ち、日本版のシリアルキラーカードを自作している変人としての一面も持っています。
五代と飛高の関係は単なる上司と部下ではなく、飛高の不可解な言動から五代は彼が単なる協力者以上の、何らかの意図を持っているのではないかと疑念を抱いています。
五代四葉
五代四葉は五代一哲の妹で、高校2年生の17歳です。彼女は兄と二人暮らしをしており、幼い頃に発生した「杉並区一家4人肉塊事件」の唯一の生存者です。
大人しい性格ですが、兄の一哲が危険な事件に深入りすることを深く心配しています。五代にとっては、彼女の存在が彼の戦いの大きな原動力であり心の支えです。
御子柴士郎
御子柴士郎は裏社会で恐れられる冷静沈着な殺し屋で、コードネームはバイパーです。元警察官であり、五代の父(哲夫)の部下として交番で勤務していた過去を持っています。
御子柴は「婚活連続不審死事件」の容疑者である十河千尋(根岸智美)と恋仲になり、彼女を守るために組織を裏切り、五代に協力します。彼は十河の中に五代の意識が憑依していることを見抜いた上で、共闘を求めました。
星名聖良
星名聖良は、1996年に発生した「大田区一家殺人事件」の被害者家族の次女で、五代が意識を入れ替えた人物の一人です。潜入時、彼女は6歳という無力な少女の身体でした。
五代の介入によって事件の悲劇的な結末は改変され、改変後の世界で聖良は32歳に成長しています。彼女は死亡した父親と同様に毎朝新聞の記者となり、五代の協力者として事件の真相を追い求める重要な役割を担っています。
見どころ
被害者に潜入する斬新な設定
『サイコ×パスト 猟奇殺人潜入捜査』の魅力は、過去の猟奇殺人事件の被害者の意識に潜入する斬新な設定です。主人公である五代は女子高生、老婆、少年、容疑者といった多様な人物の身体を通して事件と向き合います。
潜入先の身体的制約(非力さ)ゆえ五代は自慢の腕力を使えず、未来の知識や刑事としての推理力、極限状態での心理戦だけを武器に凶悪犯に立ち向かわなければなりません。五代の視点を通して、いつ命を奪われるか分からない被害者の恐怖や絶望をリアルに追体験することができます。
この設定は単なる謎解きや刑事ドラマに留まらず、読者に強烈な緊張感と没入感をもたらし、本作ならではの知的スリルを生み出しています。
家族の復讐を描く重厚なドラマ
五代一哲の行動の根底には、幼い頃に家族を惨殺された「杉並区一家4人肉塊事件」の犯人に対する強い憎悪と復讐の渇望があります。彼が命を懸けて潜入捜査を行うのは公的な正義感だけでなく、個人的なトラウマと深く結びついているためです。
物語が進むにつれて、五代が潜入する事件は彼の家族の事件の真相や背後にいる黒幕へと繋がっていきます。特に「大田区一家殺人事件」への潜入では、五代は若き日の自分の父親と運命的に再会し、時を超えて共闘する重厚な展開を迎えます。
飛高の真意と組織の陰謀
超能力捜査官である飛高紫苑の存在は物語全体の最大のミステリーであり、巨大な陰謀の核心を担っています。彼は警視総監の息子という立場を持ちながら、シリアルキラーに対して異常な執着心を見せます。
飛高は五代に対し、潜入先はコントロールできないと説明していますが、実際には五代の家族の過去に関わる事件に意図的に彼を送り込んでいる可能性が高いのです。彼の真の目的が、単なる事件解決ではなく、壮大な実験や個人的な野望である疑惑が物語に深い緊張感を与えています。
さらに物語の裏側では、飛高の能力や五代の家族の事件に深く関わる謎の犯罪組織が暗躍しています。最凶の殺し屋ファントムが飛高に似ているという描写もあり、組織の影が五代の運命と不可分に結びついていることが示唆されています。
猟奇的かつ緻密な心理描写
本作は作者である本田真吾の作風の通り、猟奇的でグロテスクな描写が特徴の一つです。殺人現場や犯人の異常な嗜好(例:伊崎良信による乳房切除など)が生々しく描かれ、事件の悲惨さや犯人の狂気を際立たせています。
しかし、単に刺激的な描写に終わらず、事件の背後にある犯人の歪んだ過去や心理、社会の構造的な闇(例:臓器売買、病院の隠蔽体質など)が緻密に掘り下げられています。これにより単なる恐怖だけでなく、人間の心の深淵や倫理的な問題を深く考えさせられることになります。
五代が非力な身体で凶悪犯と繰り広げる心理戦や、改変によって未来が揺らぐ葛藤も、本作の緻密な描写によって重厚な人間ドラマとして成立しているのです。























感想・評価