サイコアイズ どこで読める?

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作品紹介(ネタバレあり)

あらすじ

本作は人には見えない「人の縁」が糸として視えてしまう特殊能力「サイコアイズ」を持つ青年、渡辺経の物語です。能力ゆえに他人との関わりを避け、経は引きこもりの自堕落な生活を送っていました。

空腹に耐えかねて外出した経は、ある日警察官の武藤善から職務質問を受け、善も同じく「サイコアイズ」能力者であることを知ります。善に強引に連れ出された経は、特殊能力者で構成された警察の秘密捜査チーム「念視特別捜査班」、通称マルメの捜査に協力することになります。

経は事件解決に向けた一翼を担う中で、自分の能力の可能性と責任を自覚し始め、マルメへの正式加入を決意。その後、経たちはサイコアイズ能力者を狙い、その眼球を移植して能力を悪用しようと企む犯罪組織「世界の眼(ワールドアイ)」との激しい戦いに巻き込まれていきます。

作者

カトウタカヒロ

登場人物

渡辺 経

渡辺経(わたなべ けい)は、本作の主人公である18歳の青年です。彼は生まれつき人と人との関係性を糸のように視認できる特殊能力「縁結眼(えんけつがん)」を持っています。

この能力は彼の精神を蝕む呪いとなり、人間関係を恐れて引きこもり生活を送っていました。しかし、師となる武藤善との出会いを経てトラウマを乗り越え、自分の運命と能力に立ち向かっていきます。

物語が進むにつれて彼の能力は進化し、縁の糸の色から恨み(黒い糸)や金銭的な繋がり(金の糸)を読み取ったり、糸の揺らぎから殺意までも感知できるようになりました。経のマルメ正式加入は彼が成長し、社会の中で自分の居場所を見つけた感動的な転換点です。

武藤 善

武藤善(むとう ぜん)は、警察の特殊チーム「マルメ」を実質的に率いるリーダーで、経の師匠となる人物です。彼は人の「警戒心」を膜のように視覚化できるサイコアイズ能力の持ち主であり、この力で敵の動きを読み、高い戦闘能力を誇ります。

普段は軽薄でお調子者に見えることが多いですが、仲間への想いや強い信念は本物です。善は経を警察の捜査の世界に引き入れた人物であり、経にとっては人生を変えるカッコいい大人として描かれています。

彼の行動の裏には、過去に敵組織「世界の眼」によって弟を殺された悲劇的な過去があり、組織に対する深い憎しみと復讐心を抱えています。

武藤 奏

武藤奏(むとう かなで)は武藤善の妹で、マルメのメンバーです。彼女は人や物の移動経路などの「ルート」を矢印として視覚化するサイコアイズ能力の持ち主であり、追跡や逃走の際のナビゲーション役としてチームに貢献します。

奏は冷静沈着な常識人で、暴走しがちな兄の善を諌めるしっかり者としての役割を担っています。彼女も兄に劣らず仲間を大切に想う気持ちを持っており、経たちの良き理解者です。

梵 界時

梵界時(そよぎ かいと)は、経とほぼ同時期にマルメに加入した新人メンバーです。彼の持つサイコアイズは、物体に残された「記憶」を読み取ったり、時間を巻き戻して「過去の出来事」を視たりする能力です。

警察学校を卒業していることからエリート意識が高くプライドの高い性格ですが、事件を通して経たち新人メンバーとの間に絆を深めていきます。当初は経たちと反目し合う場面も見られたものの、その能力は捜査において重要な役割を果たします。

天羽 珠

天羽珠(あまは すず)は、経や梵と同期でマルメに加わった18歳の新人メンバーです。彼女のサイコアイズ能力は、相手の発言の「信用度」を金額として視覚化し、質問をすることで真実を強制的に語らせるという特殊なものです。

この能力のせいで人を完全に信用できない悩みを抱えており、明るく振る舞いながらも繊細な心を隠しています。後に彼女は「世界の眼」に能力を狙われ拉致されますが、その事件の過程でマルメ内部の裏切り者の存在を確定させる重要な役割を果たします。

陸奥 六郎

陸奥六郎(むつ ろくろう)は、警察内部の監察係に所属し、マルメの活動を監視する人物です。彼はサイコアイズ能力を持たない一般人の視点から、型破りな捜査方法をとるマルメの行動を問題視しています。

マルメに対して解体を警告するなど、組織内における軋轢の要因となっていますが、善とは過去からの腐れ縁のような複雑な関係性があることも示唆されています。

見どころ

異能の設定と心理戦

『サイコアイズ』最大の魅力は「サイコアイズ」の能力設定と、それを基盤とした緻密な心理戦です。登場人物たちが持つ「人の縁が視える」「警戒心がわかる」「信用度が金額で視える」といった能力は、知的好奇心を刺激してくれます。

本作は、これらの能力を駆使して事件の裏側にある人間関係や真実を暴く、高度な推理と心理戦を展開しています。特に主人公の経が視る「縁の糸」が、人間関係の質(憎悪や金銭的な繋がりなど)を色や太さで示す表現は、物語に深みを与えています。

能力には必ずメリットとデメリットの両面が描かれており、単なる力押しではない知恵と工夫で問題を解決する展開が醍醐味です。

師弟の絆と成長

能力に苦しみ、社会から孤立していた経の成長物語とそれを支える師匠の武藤善との絆は、本作の核です。善は飄々とした態度の裏に強い信念と仲間思いの心を持つカッコいい大人として描かれており、経の目標となっています。

経は善との出会いを経て自分の能力を呪うのではなく、誰かの役に立つ可能性を見出しました。二人の間には、不器用ながらも確かな信頼関係が築かれており、その絆が試されるたびに物語は深まります。

経が過去のトラウマを乗り越えて自分の意志でマルメへの正式加入を決意する姿は、読者に共感を呼び応援したくなる要素です。

裏切りと謎が交差するサスペンス

『サイコアイズ』は読者の予想を根底から覆す巧みに計算された展開が大きな魅力です。中でも行方不明だった経の父親が、善の宿敵である犯罪組織「世界の眼」の重要人物だったことは、物語の展開を決定づける衝撃的な真実です。

さらに、マルメの新人である天羽の能力によって、チーム内部に「世界の眼」と繋がっている裏切り者が存在することが確定しました。マルメは外部の強大な敵と戦いながら、同時に内部の疑心暗鬼にも対処しなければならないという二重のサスペンス構造が生まれています。

能力の光と影のテーマ

本作は特殊能力の描写を通して、人との繋がりがもたらす困難とそれでも得られる救いというテーマを追求しています。能力者にとってサイコアイズは、事件解決に役立つ「光」であると同時に、孤独や精神的負担を強いる「影」でもあります。

登場人物たちは、自分の能力がもたらす代償に苦悩しており、その葛藤が彼らの行動原理に深い説得力を与えています。単なる能力バトルに留まらず、信じたい相手を疑ってしまう心の葛藤や孤独から抜け出そうともがく姿の描写が丁寧です。

能力を持つがゆえの苦悩、それでも誰かと繋がりたいと願う切実さが描かれることで、読者自身の人間関係や物事の本質を見抜くことの難しさを考えさせる作品となっています。

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